日本における文明の起源は、旧石器時代。石を道具として利用し始めたことから始まる。その後の縄文時代。土器を始めとする道具の使用、定住、稲作といった文化が起きたとされる。
ところで、縄(紐)という道具は、いつごろから使用されるようになったのか?
縄文土器の文様付けに用いられたのだから、少なくとも縄文時代以前には既に存在したことになる。出土した最古の縄文土器が約16000年前につくられたものだそうだから、もはや想像もつかぬほど遥か遥か昔のことだ。
縄(紐)は、神事につかわれただけでなく、物と物とを接合する為に用いられていたという。人間が発明した最古の接合道具。
この人類最古の接合道具、縄(紐)を用いた椅子がトリコより発表された。
ネジ・釘等の金物、接着剤等を一切用いずに、一本の紐で座面と脚とを接合する椅子だ。最古の技術を効果的に用いて誕生した最新の椅子である。
高度な技術力だけを頼りとする現実離れしたデザインが持て囃される昨今のデザイン業界において、その堅実な創作態度が際立って心地良い。
組み立て式の椅子なので購入者は、自らの手で一本の紐をぐるぐると巻き、椅子を完成させなくてはならない。それなりの労力を要して組み立てられるこの椅子には、作り手(=使い手)の思いが込められることになる。
物に思いを入れ、大切に使うこと。人と物との正しきあり方がそこにある。

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